ラージ記

   30代会社員。登山、バイク(W650)、クルマ(NA8C)、音楽、米国株投資のこと。

京都刀剣鑑賞記

出張で大阪に来ています。

 

我が家は慶長元年からの生粋の江戸っ子の家系で、関西には全く馴染みがありません。女の子がみんな関西弁を喋っているのが新鮮です。ドキドキしてしまいます。関西弁の子ってカワイイよね。それだけでコーフンします。

 

今日は現地休暇ということで京都観光に行ってきました。菅原道真を祀る北野天満宮では、現在【鬼切丸】の展示が行われています。この太刀は謎が多く、作者も判然としません。罪人千人の首を切った際、あまりの切れ味に皆その髭まで切れたことから【髭切】とも呼ばれ、また渡辺綱が鬼の腕を切ったとも、源頼光が鵺を退治したとも言われています。

 

名刀と呼ばれるものには様々な伝承がセットになる場合が多く、その伝承をまとめた書籍は読み物として非常におもしろいです。今日の常識ではとても信じられないような物も多く、上記のような鬼退治鵺退治の他、丹波大江山酒呑童子を切っただの(安綱作【童子切】)、空を切ったら骨まで切れただの(気円斬的なアレが飛び出したのか?  粟田口吉光作【骨喰藤四郎】)、トンボが止まったら勝手に切れただの(本田忠勝の愛槍【蜻蛉切】)など、色々あるようです。その中で私が特に好きなのが【雷切丸】に関するもので、この刀は立花道雪がこれを用いて雷を切ったという伝承からそう呼ばれています。実際に雷を切ったのか? 常識的に考えればNoでしょう。しかしこの刀の峰の部分には、高温による炭素鋼の変色がみられる。高温に晒されたのは確からしい。もしかしたら雷に打たれたのは本当なのかもしれません。一振の刀が虚構と現実を繋いでいる、そんなところにロマンを感じます。

 

鬼切丸は現在はこの北野天満宮に所蔵されていますが、いつでも見られるわけではなく、特別公開のタイミングで京都に来られたのはまさに僥倖でした。

 

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来場者は8割以上が若い女の子で、『刀剣乱舞』の人気の高さが伺えます(鬼切丸は別名の【髭切】の名前でイケメンキャラ化されています。コラボグッズも売ってました)。

 

てっきり鬼切丸だけの展示だと思ってたんですが、行ってみると宝物殿の刀剣類が惜しげもなく展示されていて見ごたえがりました。【猫丸】っていうカワイイ名前の脇差が特に気に入りました。菖蒲造りでつるんとした、名前の通り愛らしい印象です。しかし、その名の由来は凄惨なもので、菅原道真がこの刀を壁に立てかけていたところ、走ってきた猫ちゃんがぶつかって、胴が真っ二つになったことからこう呼ばれるようになったそうです。このエピソードを読んで動物好きな私はひどく心を痛めたのですが、どうやらこれは完全な創作だそうで、実際は菅原道真没後かなり後に作られた刀だそうです。よかった、真っ二つになった猫ちゃんはいなかったんだね…。

 

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売店で鬼切丸の御朱印を買いました。巫女さんがめちゃめちゃかわいくて、会計のやりとりの短い言葉にも京都イントネーションが盛り込まれててコーフンしました。楽しかったです。

 

おわり