ラージ記

   30代会社員。登山、バイク(W650)、クルマ(NA8C)、音楽、米国株投資のこと。

お盆休み登山

お盆休み、槍ヶ岳に登ってきた。

 

槍ヶ岳と言えば北アルプスの盟主と言うべき存在。遠くから見ても一目で槍とわかる特徴的な山容で、人気が高く、人が多い。

槍ヶ岳を「槍」と略す場合、「ナス」「パフェ」等と同じイントネーションとなる)

 

おれは人の多い山が嫌い。凍狂(東京)では満員電車で通勤してるってのに、山の中でも人の中なんて勘弁してほしい。槍ヶ岳は頂上付近に渋滞ができることでも有名で、そんな山に行くつもりはさらさらなかった。そもそも以前登ったことがある。

 

そういうわけで当初は「北ノ俣→黒部五郎→三俣蓮華→新穂高」という、わりに人の少ない縦走コースを計画していたんだけど、台風が来ていて天気が持つかわからんことと、北ノ俣岳登山口への林道が通行止めになっていることが発覚し、急遽一泊二日で行ける近場の山ということで、「新穂高→槍平→槍ヶ岳」というコースへ変更することとなった。20年前は上高地から登ったから、同じ山でも違う景色が見られるし、まぁ悪くねーかなと。

(実家は北アルプスの麓みたいなところにあるので、登山口である新穂高まで車で1時間足らず。恵まれてるなぁ〜)

 

<8/11>

9:20 新穂高登山口

12:00 槍平小屋

 

<8/12>

4:00 槍平小屋

7:50 山頂

14:00 新穂高登山口

 

槍の穂先

槍ヶ岳の山頂部(いわゆる「穂先」)は、ちょっとしたクライミング要素のある場所である。クライミングと言ってもごくごく入門的なもので、鎖やはしご、補助の人工足場がしっかり設置されている。雨や風さえなければ、なんら登攀技術のないおれでも登れる。

 

ただ、高度感はそれなりにあるし、怖がってしまう人もいるようだ。

 

おれが登っているとき、穂先の中腹にヘルメットを被ってサングラスをして、手にテーピングまでしている、いかにも「ぼくたちクライマーです」と言わんばかりの二人の若者がいた。周りの登山者の様子を伺うばかりで、登っていく気配がない。おれはてっきり「この人たちは槍ヶ岳山荘のスタッフか何かで、難儀している登山者を助けるためにここにいるのだ」と思った。ちょうど渋滞していたこともあって彼らの会話が耳に入ってきたのだけど、実は彼らはスタッフでも何でもなくて、単に怖くて登ることも降りることもできなくなっていた一般人であった。

 

一方で、そう恐るような場所でもないのは事実(おれと同じタイミングで7歳の女の子が登ってた)。近くのおばさんが「三点確保、三点確保」と念仏のように唱えていたけど、たぶん人間ってビビると勝手に三点確保し始めるので、それよりも手足を置く場所が信頼できるかどうか(ポロっと崩れたりしないか、滑らないか)を都度確認すると、怖くなくなるような気がした。

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槍平小屋のテント場とマナー

槍平小屋は、(小屋スタッフにちょっと感じの悪いオッサンがいる以外は)かなり良い印象。テン場は広々していて、冷たい水が豊富にあるし、トイレはまぁまぁ清潔(臭いはキツイけど、これはどこに行っても同じようなもんだし)。

 

自分のテントを張ってくつろいでいると、どこかの大学の山岳部だろう、6人の若者パーティーダンロップ製の巨大なテントを張り始めた。ピーカン照りの下、「おれ、童貞w」「言ってなかったけど実はおれも童貞ww」「ギャハハwww」みたいな話をしていて、実に賑やか。これはうるさくて寝られん夜になるかもなぁなんて思ったけど、でも彼らにとっては10年後、20年後に残る思い出が今まさにこの瞬間なのかもと考えると、多少賑やかな夜になったとしても、それにイラついたり文句を言ったりするのは野暮だよな、みたいなことを考えていた。

 

しかし予想に反して、彼らは夜6時を過ぎるとピタリと静かになった。明朝まで話声はおろか物音ひとつ立てなかった。さすが山岳部、よく鍛えられているなぁと感心してしまった。

 

一方でマナーが悪いのは中高年で、周りが寝ようとしてんのに全く気にするすることもなく、夜遅くまで大声で酒盛りしていた。山に来てまで日本の縮図を見せつけられたようで、おれはちょっとヘコんでしまったんだよな。それでも星が綺麗で、暗闇の中目を凝らすと穂高の稜線が見えて、良い夜になったのが救いだった。

 

活躍した山道具

パタゴニア R1プルオーバー

一年中着ているフリース。すでに値段分着倒していると思う。今回もパジャマとして、防寒着として活躍してくれた(登頂時も着てたと思う)。適度に暖かく、でも風が通るので暑すぎず、岩に擦れても大丈夫。

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SONY ICF-T46

携帯ラジオ。テントを張り終えるともうやることがないので、これで高校野球の中継を聴いていた。スマホの充電を減らしたくないし、本は重いし暗くなると読めないので、携帯ラジオがあると便利。71gの贅沢。もちろん天気情報も手に入る。ケースの昭和感がハンパじゃねぇ。

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・プロモンテ VB-10

設営・撤収がマッハで終わる点が素晴らしいテント。ザクっぽい見た目がお気に入り。ツエルトと比べると結露が少ないし、雨風に対する安心感が段違い。メッシュ部が大きくて通気性がよく、虫が入ってこないのもGood。シングルウォールのテントって巷で言われるほど不便じゃないと思うんだよな。雨の中でも何回か使ったけど、フライを畳む手間がない分むしろ楽じゃあないか?と思います。

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おわり