ラージ記

   30代会社員。登山、バイク(W650)、クルマ(NA8C)、音楽、米国株投資のこと。

発売予定のバイクに思いを馳せる

ここ最近は天気に振られて週末外に遊びに行くことができない。今週末も家で過ごすことになりそうだ。そんなタイミングでモーターショーの開幕、各メーカーからニューモデルの発表。自然と発売予定のバイクに思いを馳せる時間が長くなる。
 

テネレ700

めちゃめちゃ良い。ビッグオフあるいはアドベンチャーツアラーと呼ばれるカテゴリーのモデルではあるんだけど、この括りにありがちな「これでオフロードは無理やろ」というタイプのモデルではない。二気筒689ccで高速道路含めてそこそこ走れるだろうし、長い脚とフロント21インチのホイール、そして何より204㎏という軽さのおかげで未舗装路にも気軽に入ることができそうだ。

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バイクに乗り始めて15年、今まではバイクそのものが好きで、目的もなく乗って磨いていればそれで満足だった。それが、登山をやるようになってから「バイクを使って遊ぶ」という方面にシフトし始めている俺がいる。登山のアプローチのための道具であると同時に、その道中を楽しむための存在。
 
個人的にビッグオフっていうのは今まで興味の対象外で、というのも、いかにもオフ車っぽい見た目をしていても履いているタイヤは舗装路用の物だったり(中には17インチラジアルのモデルすらある)、車重がとんでもなく重くてコケたら再起不能やろって感じだったり、そもそも新車価格が250万円もしてさらに補修部品もゴリ高の高級バイクでは、不整地に入ろうなんていう気は起らない。この手のバイクに乗ってる人は「オフっぽい雰囲気を纏って高速道を走るのが好きな小金持ちのおじさん」と相場が決まっている。
 
KTMの690エンデューロなんかは軽くて良いなと思うけども、長距離移動で単気筒はキツい。街乗りではエンジンのレスポンスが良すぎて疲れちゃう。「READY TO RACE」って言われてもレースやんないし、だいたいおれは日本男児として日本メーカーに拘りたいんだよな。
 
というわけで、ワガママなおれにぴったりフィットしそうなのがテネレ700である。汎用性が高く、道具として使い倒せるバイクという気がする。
 

W800

W650(後継の旧W800)からの変更点はいくつもあって、フレームが新しくなって剛性UP、ABS化、リアブレーキのディスク化、ヘッドライトのLED化等々、その他見えないところもかなり変わっているようだ。新W800は既に発売されているけど、フロントが18インチだったり、フェンダーがめっきではなくなっていたりと、微妙におれの好みからは外れていた。それが今回、トラッドなオートバイ然としたW800が発売されると聞いて、嬉しくなった。

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Wシリーズの良いところは汎用性の高さで、街乗りでも楽しいし高速道路もそこそこ快適、重心が低くてコンパクトなので、細い道やら不整地でも「ちょっと入ってみようかな」という気になる。荷物もたくさん乗るし、故障が少ない。フロント19インチによる鷹揚なハンドリングも急かされなくて良い。Wには昔ながらの「フロント19インチ、リア18インチ」という構成が合っていると思う(タイヤ代が安く済むってのも良いところ)。
 
Wシリーズの乗り味に刺激は一切ないし、先進性の欠片もない古臭い見た目ではあるけど、それらがしっくりくる人には長きに渡って良き友となってくれるバイクだと思う。そういうバイクが新車で販売されてるってのは嬉しい。
 
テネレは気になるけど、おれはW650が気に入っているので、乗り換えるのは難しい。
 
新W800のLEDヘッドライトをW650に移植できないかなと思案中。
 

CT125

これはマジで買おうと思っている。

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おれがバイク童貞を捧げたCT110の現代版、もうこれだけで購入に足る存在だ。CT110は現在実家に置いてあって、帰省時の遊び用(主に登山アプローチ用)、そしてオヤジの農作業用として活躍しているが、いかんせん設計が古いため実用上の不満がないでもない。
 
まずは灯火類。CT110の電装系は6V、これは戦国~江戸前期に設計されたバイクにありがちな仕様なんだけど、残念ながら現代では通用しない。まず暗い。想像を絶する暗さである。さらに、電球が一ヵ所切れるとその他の電球達に負荷がかかって、今まで元気だった電球達も次々死んでいくという地獄仕様になっている。しかも6V球は一般的な部品屋さんでは売ってないことが多い。そこで12V仕様に改造したわけだけど、それでもバーニングストーンにウォーターで、ライトの暗さは不安になる。
 
次はサスペンション。CT110のサスペンションは、サスペンションとは名ばかりの単なる金属棒である。そこでCT110フリーク達は知恵を絞って、新聞配達用カブのサスペンションにリプレイスすることで、いくらかマシな乗り心地を手に入れるのだ。でも考えてみると、不整地走破を念頭に開発されたバイクに新聞配達バイクのサスペンションをつけて喜んでいる、この事実だけでなんだか悲しくならないか?
 
最後はエンジン。CT110のエンジンはタフで燃費も悪くない。しかしもう少しだけパワーが欲しい。登山口を目指してつづら折りの道を登っていくシチュエーションは多いが、坂道になるとどうも登っていかない。というか、おれの母校であるハーバード大学は八王子の山の上に建ってるんだけど、その駐車場への坂道ですらも大幅な失速を余儀なくされる。あと20ccでも排気量があれば違うだろうに…。

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そこでCT125。上記の悩みが一切解消される。なぜCT110みたいな不満の多いバイクに乗り続けるのか?それは見た目がカッコいいからって理由がかなり大きい。デザインが良くて、しかもそのデザインの良さは泥だらけになっても傷がついても目減りしない、むしろ勲章としてさらに輝きを増すタイプのカッコよさ。CT125は、そんなCT110の見た目をできるだけ残すよう配慮されているように見える。これだけで買うに値するんじゃないかしら。
 
もちろん「125にもフロントキャリア付けんかい」みたいなワガママを言えばキリがないんだけど、開発陣の心意気には購入という形で応えねばならんのじゃないかと思っている。
 
実はホンダってあまり好きなメーカーではなかったんだよな。理由は過去にも書いてて古いバイクの部品供給がクソだったりデザインがどれもパンツっぽくてダサかったりみたいなことなんだけど、近年イイ感じに解消してきてる。
 
ブランド価値の向上って豪奢なショールームを作ることだけじゃないよね。ユーザーサポートや商品コンセプトがユーザー視点であるってのも大事ですよね。
 
本当にありがとうございます。