ラージ記

   30代会社員。登山、バイク(W650)、クルマ(NA8C)、音楽、米国株投資のこと。

大学の思い出

入試の時期になると思い出す。
 
大学に入学して初めてわかったことなんだけど、おれの入った学部は人数が少ないこともあって、学生同士の距離が近いっつーか、良く言えば非常にアットホームな雰囲気だった。学部としてそういった空気感、なまか意識みたいな物を積極的に作ろうとしていた。設立されて10数年の新しい学部だったんで、他との差別化って意味で良い雰囲気を売りにしたいという思惑もあったんだと思う。
  
4月初旬、学部の新入生説明会があるってことでいそいそと会場に向かったら、部屋の中はパーティ会場風に机が島状に配置されてて、お菓子とジュースがたくさん準備してあって、ほんで上級生っぽい人に「1つのテーブルに5人くらいで集まってね」とか言われてもうて。いきなりですよ。説明会ってもっと事務的なアレかと思ってたので面食らったわけ。
 
さらにペンとネームプレート渡されて「下の名前かニックネームを書いて名札にして」とか言われて。みんな素直に従ってて、中には「ゆうた☆彡」とか「♡あいみょん♡」的な感じでちょっと装飾を施すやつらもおって。内部進学組は既にそいつらだけでつるんでて、この時点でおれは完全にパニックなった。
 
おれの地元は田舎すぎて大学ってものがなくて、大学生すなわち想像上の生き物だった。おれの想像では大学生ってのはビジネスライクというか、Individualistの集合体だと思ってた。もっと言えば刺すか刺されるかみたいな関係性だとすら思っていた。このみんなでワイワイという、今風で言うところの「陽」なノリは厳しいかもしれんと思ってもうて。こいつらアホかよ、大のオトナが菓子つまんで下の名前で呼び合う、その雰囲気を強要されるっておかしいやろげって思ってムカツキがこみあげてきた。その瞬間「おれ馴染めない。留年するかも」って思ったんだよな。
 
そんで実際留年したっていう。いやまぁ留年はおれの匙加減ひとつなんだけど。
 
今思えば、新入生に早く打ち解けて欲しい、学生生活を楽しんでほしいっていう純粋な善意だったんだよな。それを汲み取ろうともせず周りをアホだと決めつけた。アホだったのはおれだよ。
 
受験生、入試ガンバレ。
 
さようなら。