ラージ記

   30代会社員。登山、バイク(W650)、クルマ(NA8C)、音楽、米国株投資のこと。

新バイク購入

友人もとい知人が新しいバイクを購入した。そうなると自分も何か買いたくなってくるのが人情というもので、ここしばらくはバイク選びに腐心していた。
 
ハヤブサがいい
いろいろ考えたけど、ハヤブサを買うことにした。
 

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圧倒的なパワーと剛性、優れたフェアリングで、疲労の少ないツーリングが楽しめる。ハヤブサでサーキットを走ったことがあるが、自分の手には余る(というかどの人間の手にも余る)余裕のパワーと、巨体のわりには軽快な乗り味で、楽しかった。
 
既に生産は終わっており、新型の噂はあるものの具体的な情報が上がっているわけではない。仮に噂通りに新型が出たとしても、今までのモデルには新型に気後れする必要がない完成度、実績がある。
 
これに決めた。
 
…。
 
…待てよ。自分がハヤブサを買った後のことをシミュレーションしてみると、自分の使い方にはちょっとミスマッチなんじゃないかと思えてくる。
 
まず重い。乗り出してしまえば確かに軽いんだけど、270kg近い車重はどうしたって重い。例えば、ツーリング先でちょっとした小道に入ってみたくなったとする(おれはしばしばちょっとした小道に入りたくなる)。そんな道は大抵荒れていて、砂利が浮いていたり落ち葉が広がっていたり、下手をすると未舗装だったりする。それをハヤブサで楽しめるのか?小道に気後れして、高速道路と幹線道路を繋ぐだけのツーリングは果たして楽しいのか?万一コケたとして、立派なカウルを補修するのは1コケ5万?10万?ビクビクしながら走りたくはない。適度な重さで、アップライトなポジションで、なんなら傷さえも味になるようなバイクの方が良いと思う。
 
また、時速300キロが出せるバイクで公道を走ることへの不安もある。速いのが怖いんじゃない。ゆっくり走って楽しいのかが不安なんだ。
 
ツーリングスポット、例えば自宅からアクセスがいいのは道志みちだが、ここだって思い通りに走れるわけではない。取り締まりはあるし、遅い四輪の後ろにつく機会も多い。おれはルールを遵守する愛の戦士なので、イエローカットしてまで抜きたくはない。どうしたってサーキットみたいには走れない。そんな状況でフラストレーションが溜まっていくバイクは、長く乗るにはちょっと辛い。高速道路で最高速アタックだぜ、うひょー!みたいなのは速攻飽きるだろ。おれはスピードが好きなんじゃなくてバイクが好きなんだから。
 
ハヤブサが実際どうなのかは知らない。ちょっとしか乗ったことないから。でも、少なくとも俺には速すぎるかなと思う。「ハヤブサはゆっくり走っても楽しいよ」という意見があるのは知っているけど、おれの使い方にはやっぱマッチしてないと思う。
 
めちゃカッコいい最強バイク。大学生の頃から憧れていた。
 
しかし、少なくとも今の自分が求めてるバイク像とは違うかなと思う。
 
●理想のバイク像
車重は200キロ程度、アップライトなポジションのバイクが良い。あとデカめのホイール。アップハンドルでホイールがデカければオフロードバイクじゃなくたってある程度の道を走れるし、荒れまくってて「もう無理だ」ってなってからも楽に引き返せる。整備がしやすくて飽きのこない、トラディショナルな見た目のバイクが良い。そりゃフルカウルのバイクに比べれば風をまともに受ける分疲れるけど、そもそも疲れるためにバイク乗るみたいなところがあるからな。疲れるのが嫌なら筋トレも登山もやってない。ただ、そうは言ってもある程度の余裕は欲しいから、排気量は400~800、間を取って650くらいがいいんじゃないだろうか。低速からトルクがあって、レスポンス悪くてもいいから重いフライホイールのバイクが良い。マッタリ乗ることができる。
 
…(笑)!
 
お~い(笑)!
 
そんなバイク、もう持っとるやんけ(笑)!
 
せやろがい(笑)!
 

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クピピ~(笑)!

ラージ式 働き方改革

「良い雰囲気の職場」「コミュニケーションの活性化」を大義名分に、弊オフィス内では仕事と関係のない雑談が多い。
 
これは一概に悪いことではない。会話が多けりゃ親密になって、お願い事とかしやすくなるし。それはわかってっけど、やっぱフツーにうるさいので、業務に支障が出ている。
 
静かな環境でできればサクッと終わらせられる仕事も、隣の席であーでもないこーでもない、昔どのジャニーズにハマっていたかとか、私のおじいちゃんは若い頃に酒飲んでこんなおもしろい失敗をしたんですよ的な聖糞話(ひじりぐそばなし。当人にとっては楽しく有意義な、他人にとっては糞みたいな話のこと)が繰り広げられ、時には「ラージっちはどう思いますww?っうぇww」みたいな”振り”もある。おまけに花粉症のヤツのグジュグジュとか奇声(業務上のミスとか忘れていたコトに気付いたであろう瞬間、かなりのボリュウムで突然「アッー!」って言うのでちょおヴィクーリする)、その他様々な雑音に耐えながらの仕事となると、思うように進まない。
 
カーネギーメロン大学の研究によると、一度途切れた集中力を回復させるには25分必要だそうだ。そうだろうよ。強くそう思う。思い出してみてほしい。放課後ムダに居残って駄弁りながら宿題やってるヤツって全員馬鹿だったろ。集中しなきゃダメなんだよ仕事も勉強も。遊びじゃねーんだから。
 
…まぁ、彼女たちだけを責めるつもりはない。
 
だいたい、社員の効率を上げて業績を伸ばしたいんであれば、一蘭でラーメン食う時みたいな環境を会社側が用意するべきじゃねーか?「コミュニケーション」っていう言葉のイイ面しか見ようとしてねーんじゃねーか?良質なコミュニケーションの陰には10倍の聖糞話があるんじゃねーか?どうなんだよ。
 
もっと言えば、「自由におならができない」という時点で、「一つのオフィスに集って仕事をする」っていうスタイルはゴミなんだよ。おならを我慢しながら集中できるか? できるわけないだろ。めちゃめちゃ健康に悪いし。要するに、一ヵ所に人を集めておならを我慢させながら働かせている時点で、仕事の効率と社員の健康、双方をないがしろにしてるカス企業ってこと。そんで「先月の売り上げは前年比90%でした。3ヶ月連続の前年割れです。社員一丸となって乗り越えよう。健康にも気を付けて」みたいなことを言う。
 
アホか。
 
家で仕事させろ。
 
10倍働いてやるわ。業績も爆上げだろ。
 
思うままにおならもできて社員は皆健康。
 
なんの文句があるんだよ。
 
おれだっていちいちこんなこと言いたくねぇよ。
 
言われないとわからないのかよ全国のCEOどもは。
 
経営戦略だマネジメントだ、御高説は結構。
 
その前に家で仕事させろボケが。
 
会社命令で、家での仕事に舵を切れ。
 
それができるのはおまえらCEOだけなんだから。
 
おれには会社の女性陣を注意する勇気なんてないんだから。
 
話を振られたとき、作り笑顔で乗っかることしかできないのだから…。
 
 
 
さようなら。

株価暴落から今年の投資を振り返る

ボラティリティの高い1年でした。ここ数年で株を始めた人の多くは含み損を抱えてるんじゃないだろうか。
 
おれも資産減らしてる。ただ、初めて暴落らしい暴落に直面している心情としては、意外と「こんなもんか」って感じ。暴落が来たらアブラ汗垂らして四六時中カネのことを考えるようになると思ってたんだけど、意外とヘーキ。痔瘻の治療に比べたら余裕すぎるわ。
 
わりと軽傷で済んでるのは、投資を初めてから今日までの間に、ある程度の配当金を手に入れてるってのがひとつ。毎年数十万のお金が完全なる不労所得として入ってきて、これは来年も再来年もその先も、売らない限りは継続的に入ってくる。この配当を5年10年と積み上げていくだけで小市民には結構な額になるから、今この瞬間の評価額が増えようが減ろうがあんまカンケ―ないよな。20年後か30年後か、株を現金化する時に、それまで得た配当金込みでプラス圏にあればいい。
 
もう一つは、我がポートフォリオはその3/4をETFで占めていて、それなりに分散が効いている。変なもんは買ってないっていう自負がある。そのうち上がるでしょ。
 
 ※株始めた頃に買った個別銘柄群については後悔がないでもないけど、バークシャーハサウェイ以外はどれも高配当だし、とりあえず持っておく予定。今後買うのは全部ETFになると思う。
 
仮にここから半値になっても、さして心情に変化はないはず。むしろ今は、1月にボーナスが出たらIVVとVYMを追加で買おうと思ってるよ。
 
「S&P500のETFを軸にしつつ高配当銘柄からお小遣いをもらう」ってのが自分に合った戦法だと、そう確信できた1年でございました。
 
 こういう相場になると痛感するのが基本の大切さで、すなわち
 
・生活のための資金を別に持っておく
・分散させる
レバレッジ をかけない
 
ことにつきる。我々はプロのファンドマネジャーではないのだから、多少効率が悪かろうが、自分が受け止めることのできる余裕を持つのが大切やな。
 
上記ポートフォリオ以外に積み立てているのが以下の3つ。
 
① つみたてNISAで楽天VTを満額
iDeCoでニッセイ外国株式インデックスを毎月1万円
③ e-MAXIS Slim S&P500を毎日500円
 
iDeCoの額が少ないのは、安月給で余裕がないってのが大きな理由だけど、制度自体が若干キナ臭いからってのもある(受給開始年齢が変化すんじゃねーか?みたいな)。節税になるのは確かなので、シコスーでも恩恵に与りたく少額でやっている。
 
ちなみにウェルスナビは解約しました。イイ投資先ではあるけど、自分にちょっとずつ知識がついてきたことで、手数料分の魅力を感じなくなってきたので…。
 
それではみなさんよいお年を。

ANAL*HOLIC2(入院・手術の話)

退院から2週間が経った。まだ完治とは言えないけど、入院から手術、退院までの記憶が薄れないうちに、正直な気持ちを記録しておきたい。なるべく包み隠さず書きたいと思う。
 

前提

痔瘻(じろう)を患い、八王子市にある多摩肛門科病院に入院した。「痔瘻」って、なんかもう字面がコワいよな。見た瞬間「これはヤバい」って直感する。実際、痔界のキング的な地位にいるらしい。具体的にどんなアレなのかは各人で調べていただきたい。世にも恐ろしいことが書いてあるから。
 
あと、「多摩肛門科病院」って、めちゃめちゃダイレクトな名前だよな。わかりやすい。おれは「タマコー」って読んでるんだけど、結論から言えばこのタマコーを選んで正解で、あらゆる面で本当にお世話になりました。皆さんにもおすすめしたい。
 

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多摩肛門科病院外観。色使いがなんとなく肛門っぽい。
 

痛みランキング

一位:一回目の麻酔注射 
二位:二回目の術後~翌朝にかけて
三位:二回目の術後、初めてのウマルコ時
 
おれは計二回手術を受けている。初診察の際、患部に溜まった膿を出すための切開手術(これは入院前の話。日帰り)。そして入院しての痔瘻根治手術。治療に関する全てのことの中で最強に痛かったのは、切開手術の麻酔注射でした。正常位の体勢+足を固定された状態でおしりの患部付近に注射をされるんだけど、身長197センチ93キロで、オカンから「赤ちゃんの頃からめったに泣かない我慢強い子」と評される屈強なこのおれが、本気で泣き叫んだ。マジで。神経の束の、その奥の奥に容赦なく鋭い針を突き刺すって感じの、耐えがたい痛みだった。逆に、二回目の根治手術の麻酔は「脊椎に注射される」という心理的抵抗はともかく、痛み自体はそんなに強くなかった。いずれも、麻酔が効いてしまえば手術中の痛みは全くない。二回目の手術なんて、3人の看護婦さんと筋トレの話をしている間に終わってしまったくらいだった(看護婦さんが積極的に話を振ってくるのは、患者が意識を失ってないか確認する意味もあるんだと思う)。
 
二位について、その麻酔が切れた後~翌朝までの痛みと不快感は、今思い出すだけでもゾッとする。痛みを感じるようになってきた一方で、まだ体は思うように動かせないという状態のストレスはハンパなかった。具体的に言うと、体がちょお重く寝返りうつのも大仕事なことに加えて、麻酔の影響で全然おしっこが出せないのが辛い。「アラ?いままでどうやって放尿してたっけ?」ってなる。力の入れ方がわからない。しかも術後は絶対安静とのことで、トイレに行くことは許されず、ベッドの脇で「しびん」へのアレだから。そして繰り返しになるが手術直後はおしりが相当痛い。慣れない環境の暗い病室で、痛みで眠れず、ただ夜明けを待つ。そんな一夜のことを想像してみて欲しい。
 
三位について、おれはウマルコがこんなに恐るべき存在になる日が来るとは思っていなかった。物心ついた頃から、「ウマルコ=おもしろいもの」という認識で生きてきたんだけど、手術の後、このめちゃめちゃ痛い所からアイツが出てくるかと思うと、想像するだけで恐怖に震えてしまった。魔王やんけと。傷口パックリ開いてっけどマジで来んの?と。そして来た時の痛みたるや。ただ、日を追うごとに痛みは少なくなっていきます。
 

入院中に辛かったこと

傷が痛いとかそういうアレはもちろんそうなんだけど、ダントツで一番辛かったのは、同室のオッサンのイビキだった。爆撃レベルのイビキの持ち主の分際でぬけぬけと大部屋に入ってくる、その無神経さが許せなかった。「自分はイビキがうるさいから、大部屋では他の人に迷惑をかけてしまう。追加料金を払って個室に入ろう」って思え。気を配れ。家族もなんか言っとけ。痛くて眠れない中で、耳栓しても全然意味ないくらいの貫通力を持ったあのイビキは、まさに拷問だった(それでも一晩耐えた)。あまりにうるさいので翌朝看護婦さんに相談したら、オッサンは寝るときだけ他の部屋に追放されることになった。正義は勝つ。ただそのオッサン、起きている間は明るく気さくですごいイイ人だったんだよな。「明日退院?おめでとう🎉 」とか言ってくれたし。だから最後まで憎めない存在だった。おっさんの術後の経過はどうだろう?快方に向かっているだろうか?
 

入院中の心の支え

辛い入院生活にも、救いはある。一つはお見舞いに来てくれる人たち。どうしても塞ぎ込んでしまう中で、話し相手がいるというだけで随分と心が楽になる。何より、時間を作って遠くから来てくれるという、その心意気が嬉しいじゃないの。逆に、おれの知り合いやトゥイラー(ツイッターネイティヴ風の言い方)のフォロワーの分際で見舞いに来なかったおまえ、おまえのことは絶対に許したくないと思っている。
 
もう一つは、お風呂。月曜に入院し、木曜まで入浴禁止令が出ていた。この間は自分がひどく不潔でみじめな存在に思えて、本当に辛かった。その分、術後初めての入浴はおれ史上最高の入浴体験となった。タマコーのお風呂は窓が大きく、方角的にも日光がさんさんと入る向きに作ってある。あれは秋晴れの日の午後1時頃だったと思うが、日の光を全身に浴びながら湯船に浸かるのは最高の気分だった。意外にもお湯がしみて痛いということはなくて、むしろ血行が良くなることで痛みが和らいだ。タマコーには「入浴時間は着替えを含めて20分」という軍隊レベルの掟があるので、そうゆっくりもできないのが残念だったけど、 以後入浴の時間が毎日の楽しみとなった。 
 
最後は看護婦さん。ここの看護婦さんは、全員がそれぞれ戦国武将並みのモチベーションを持って働いている。ハンパねぇレベルでテキパキしているし、わからないことがあると的確に教えてくれるので安心できた。タマコーお医者さんは、たぶん痔についての達人みたいな人なんだけど、どの分野の達人もそうであるように、全く無駄がない。手術もちょおスムーズに済んだし。でも患者への説明についても無駄がなさ過ぎて、おれは結構不安になった。おれのおしりを0,5秒見て、「うん、大丈夫」程度のことしか言ってくれないからね。その分看護婦さんが色々と説明してくれるし、薬を塗ってくれたりするので、「看護婦さんに治してもらった」っていう気持ちが強い。
 

他人におしりを見せるということ

最初は、見ず知らずの他人におしりを見せることに抵抗があった。特に、いくら自分より随分お姉さんとはいえ、看護婦さんにおしりを見せるのがすごく恥ずかしかった。しかし今では、それはまったく無駄な悩みだったなと思う。恥ずかしがる必要なんかない。やべぇと思ったら迷わず医者に行った方がいい。モジモジしてる時間はマジで無駄だから。例えば百合漫画読んでて、「私たち女の子同士だから…」みたいな問題を長々と取り上げてたらイラつくじゃん。おれはそんなレベルの百合漫画が読みたいんじゃねぇよ、みたいな。その葛藤は確かにそう、ごもっともだが、その前提でさらに上の問題をアレしてくれやっていう。それと同じで、早々に「おしりを見せる」という前提に舵を切って、サクッと次のステージに行くのが自分のためになる。おれはもう何の躊躇もなく脱げる。真面目な話ね。
 

治療費

おれが幸運だったのは、入院施設のある専門の病院が家の近くにあったことと、はじめからその病院にかかったことだと思う。痔関連のブログを読んでいると、医師の判断が甘くて病状が長引いたりとか、いくつもの病院にかかったりとか、保険が使えず治療が高額になったとか、いろんなパターンがあるみたいだ。おれはラッキーだ。ちなみに、おれの入院~退院までの費用は、入院期間1週間、治療費に食事とか薬とか全て込みで¥58,000くらいだった。安いと思う。
 
以上レポっす。チラシの裏すんません。

ANAL*HOLIC(痔の話)

痔の治療のため、入院することになった。

 

今、恐怖に震えながらこの文を書いている。脊椎に麻酔を打って、おしりを切るらしい。なんだそれ。考えただけで怖くて震えてくる。仕事は全く手につかない。仕事どころか、自分の好きなことにだって何一つ集中できない。ギターを弾いても、クルマに乗っても、山道具の手入れをしていても、頭の中は痔のことでいっぱいだ。

 

どうしてこんなことになったのか。

 

そいつは突然やってきたんだ。

 

痔関連のブログを読んでいると、「長年に渡り耐え続けてきたが限界になって病院へ」というパターンが目立つ。「肛門科に行く」ってすごい大変だよね。気が重いわな。「起業」と同じくらいの思い切りが必要なんじゃないだろうか。

 

おれの場合は事情が違った。ある日突然おしりが痛くなって、翌日速攻で肛門科の門を叩いた。逡巡するヒマさえないほどの痛みだった。なにしろ座れないし、歩くのも辛い。バイクなんて話にならない。生活への支障がありまくりだった。市販薬で何とかするのは無理だと思ったし、薬局に行って痔の薬を買うのも恥ずかしいわけで、どうせ恥ずかしさを味わうなら病院に行ってしまったほうが話が早いと思った。

 

当初こそ羞恥心を感じたものの、一度経験してしまうと考えは変わった。花も恥じらう乙女じゃあるまいし、病院の様子とか、はじめておしりを他人に見せるのが恥ずかしかったとか、そういう話をいちいち書くつもりはない。相手はプロで、彼ら/彼女らにとっては患者のおしりを見るなど、合コン相手の顔をチェックする程度のアレなんだろう。

 

簡ケツ(簡潔)にケツ論(結論)だけ書くと、初診の段階で応急的な手術をされ(これが人生で初めて味わうレベルの激痛だった)、そのおかげで今は落ち着いているけど、根本的な解ケツ(解決)のためには別の手術が必要、入院が避けられない、ということ。その事実はどうやったって動かせない。

 

怖い。

 

怖くて震えている。

 

おれに強さをくれ。

 

痔の手術に、術後の痛みに負けない心の強さを…。

 

ネ申よ…。

 

 

 

会社には洗いざらい全て話した。おれは会社では貴公子的なキャラで通っているので、もしかしたら泣き出す女の子とかもいるんじゃないかなって不安だったけど、おれは誰のものでもねぇし、おれの体はどうしようもなくおれ自身だけのものだから、そんなことは気にしなかった。

 

それよりも実務的な問題として、入院や診察で仕事を休むのは間違いないわけだから、下手に誤魔化すのは悪手だと思った。実際、すべて正直に話して良かったと思う。

 

しかしまぁ、痔だって言うとみんな笑うよな。老若男女問わず笑っとったわ。女の子も全然泣なかないね。笑顔。大変ですね~とか言いながら、全員笑ってるから。笑わないように堪えてる人もいたけど、堪えてるのがわかった時点で笑ってるのと一緒だもんな。

 

取引先の人で、どうしても話が合わない苦手な人がいる。その人と会うときはお互いに一切笑顔なんかないんだけど、このあいだ「申し訳ないんですが通院のために今日はここで失礼させていただきます」っつって、向こうが「具合悪いんですか?」って言ってきて、しょうがないから「大変お恥ずかしいんですが痔になってしまいまして…」って言ったとき、はじめてその人の笑顔を見たもんな。3年の付き合いで、今まで一切笑わなかったのに、そこで初めて満面の笑顔を見せたわ。まぁええんやけど。

 

もしかしたらこれを読んでいるおまえ、そこのおまえも笑ってるのかもな。

 

全然いいよ。

 

全然大丈夫だよ。

 

痔ってなんかおもしろいもんな。

 

ただひとつ、忘れて欲しくないことがある。

 

おしりはおまえと共にあるということ。

 

おしりは常におまえと共にあり、決して逃げることはできないということ。

 

誰もがおしりという名の刑務所の囚人なんだということ。

 

そして、嵐は突然にやってくるということ。

 

 

 

ご自愛ください。

登山のこと

トゥイラー(ツイッターネイティヴ風の言い方)では色々カキコしてんだけど、一度ブログでも山登りについて書いておきたい。

 

山岳小説や登山家/クライマーの紀行文を読んでいたら、山に登りたくなってきた。エロ本を読めばアレしたくなるのと同じように、山の本を読めば山に登りたくなる。当たり前のことだと思う。

 

おれの親父は若いころから山登り/岩登りをずっとやっていて、その親父に連れられる形で、おれも高校三年までは毎年どこかの山に行った(白山、双六岳槍ヶ岳、焼岳、薬師岳、三俣蓮華、北ノ俣岳、黒部五郎、笠ヶ岳など。夏のみ)。ただし、それらは全て親父に連れられての、完全に親父の傀儡となっての登山だったから、自分の中に登山技術と言えるようなものは何一つ蓄積されていない。

 

ゼロからのスタートということになる。

 

 

日帰り装備の購入

やると決まれば道具を揃える必要がある。まずは「日帰り」「食事にはこだわらない(お湯を沸かすだけ)」というスタイルでやる。

 

これまでに買ったもの

・靴(キャラバン C1-02S)

海外メーカーのカッコいいデザインのものはどれも足に合わなかった。安価でスタンダードな物をこうた。お店でフィッティングしてネットで安く買うという、悪魔のような行為をしてしまった…。

 

・ザック(OMM CLASSIC25)

海外通販を使うことで日本での定価の半分くらいで購入できた。軽いくせに背負い心地がいいし、ポケットの数なんかも多すぎず少なすぎずで使いやすいと思う。

 

・レインウェア(モンベル トレントフライヤージャケット+レインハイカーパンツ)

ジャケットはウインドブレーカー代わりにも使うので、透湿性が高く軽量で高性能なものを選んだ(山をなめるな)。パンツはいいヤツを買っても擦れてすぐダメになりそうなので、安いヤツを(山をなめているわけではない)。

 

・トレッキングポール(ブラックダイヤモンド ディスタンスカーボンFLZ)

当初は「棒切れに頼って歩くなど漢らしくない。己の二本足で歩いてこそ」などと思っていたが、親父から勧められて考えを改めた。ストックをうまく使えばケガ防止になるし、ケガした際も下山できる確率が高まる(山をなめるな)。また、後述のツエルト設営にも使うものだからと考えて、思い切って購入した。

 

・お湯沸かしセット(プリムス P-115、エバニュー チタン パスタもクッカーS)

軽さ優先でアルコールストーブも考えたが、自分には到底使いこなせないと判断して見送った。どうしたって風に弱いし、おれはオッチョコチョイなので燃料の不始末をやりそうだ。食器はこの1個で十分。ラーメンが作れるし、マグカップとしては少々大きいが、コーヒーもシバけるサイズ感で気に入った。こんな商品名だけどパスタを茹でるにはどう考えても小さすぎる(パスタ茹でる気はないからいいんだけど)。

 

その他、帽子、速乾インナー、厚手の靴下、フリースジャケット、エマージェンシーシートやヘッドライトといった小物などを購入。また、コンパスと本を買って地図読みの基本を勉強した(山をなめるな。今のところ迷うような山には行ってないけど)。

 

登山における装備の軽量化は、いわゆる「ウルトラライト」的なスタイルの人以外にとっても至上の命題だと思う。おれも軽さとコンパクトさを重視して選んでみたけど、一方で、「軽さを優先しすぎてめっちゃ不便」みたいな事態に陥らないよう、自分なりにチョイスしたつもり。今のところはどれもうまく機能していると思う。

 

 

泊まり装備について

「日帰りで」などと言って始めたけど、何度か山に行っているうちに泊まりたくなってきた。というか、泊まり用の装備というのはどれもひどく物欲を刺激するもので、おれもまんまと刺激され、「欲しいがために泊まりたくなった」という方が正しいかもしれない…。

 

・ツエルト (ファイントラック ツエルト2ロング)

テントを買うなら、多少重くても快適な、自立式のしっかりしたものにしようと思っていた。しかし、親父に「快適に寝たいなら山など行くな。おれが若かった頃は、岩壁で宙吊りの中寝るなんてこともしょっちゅうよ」などと、昔話を交えて説教されてしまった。岩壁で寝る予定はないけど、たしかに多少不快でも身軽に動ける方がいいやと思ってツエルトを買ってみた。

 

ツエルトとはすなわち簡易式のテントで、一般的なテントに比べて快適性や居住性は著しく劣るものの、とにかく軽く済む(コレも340gしかない。テントはちょお軽量のものでも1㎏はある)。たった数日のことだから、快適に眠れなくても、空間があって横になれれば問題なかろうと判断した。そもそも、日帰り登山であっても不慮の事態に備えてツエルトを携行することが望ましいわけだから、これは決して無駄遣いではないはずだ(山をなめるな)。

 

簡易型テントと言えども、その実単なる布ペラ一枚で、設営には練習が必要。本番までにしっかりと訓練しておきたい。設営のデキ次第では多少の風にも耐えられるらしいが、山で本気の風が吹いたらいくら立派なテントでも転がっていくもので、そんな状況ではツエルトなど話にならないと思う。情けないけど本気でヤバそうなときは小屋に逃げ込もうと思っている。

 

シュラフバー(SOL エスケープヴィヴィ)

夏場であれば、厚着した上でコレに入ればシュラフは必要ないんじゃないかという目論見があって購入した(むかし真夏の北ノ俣岳で、テントもなにも使わず、エマージェンシーシートに包まって寝たことがある。寒くなかったし、寝ながら星を眺めることができて良かった。蚊に刺されまくったけど)。ザックのパックライナーとしても使えるし、不慮の事態に陥った時にも役立つだろうから、決して無駄遣いではないと思う。山道具を買うにあたっては、常に「命にかかわるから」という大義名分があるため、財布のヒモが緩みがちになる。山をなめるな。

 

エバニュー 厚めのマット

型番失念。安かったのでつい買ってしまった。

 

以上の装備は買っただけで、まだ実際に使ったことがない。スマン。

 

 

目標

高尾やら丹沢で軽く練習した上で、10月の連休で実家に帰って、北ノ俣岳と天蓋山にそれぞれ日帰りで行ってきた。何しろ道具はどれも一流だから、何も困ったことはなかった。名峰がズラリと並ぶ山域にあってはどちらもマイナーな山で、おかげで人が少なく(というか2日間で3人としかすれ違わなかった)、快適だった。台風のせいで天気が微妙だったのもあるだろう。久しぶりに一つのことに没頭できた気がして、いい気持ちになった。

 

しばらく関東の山で経験値を積んで、いつか剱岳(2999m)に行くのが目標。まだ登ったことがないし、名前がカッコいい。あと2999mっていうのもカッコいいと思う。

 

山から帰ってきてソッコーで痔になってしまって、今は登山どころか駅の階段を登ることすらツライんだけど、早く治して経験値を積みたいです。

 

本当にありがとうございました。

通勤

台風の朝、満員電車での通勤。
 
昨日はたまたま20㎏くらいの荷物を運ばなきゃならんくて、それをリュックに詰めて出勤してたんだけど、車内が混みすぎてて網棚は一杯だった。しょうがないからその激重リュックを正面に抱えて、電車は遅れ、目的地まで1時間半。重い。
 
人口密度がパなくて息苦しい上に、押された荷物が肺を圧迫して十分な空気を吸い込めない。重い荷物と薄い酸素。エベレストに登るための訓練だと思って、とにかく耐えた。なにしろスマホや本を取り出す余裕がないから、修行と思ってただじっと耐えるしかない。
 
車内でおれの右隣に位置していたババアが持っている傘には水滴がタンマリついていて、それがおれに密着してくるもんだから困った。伝う傘汁でつま先まで濡れる靴下。水切ってから乗れ。ジューシーな状態で乗り込んでんじゃねーよ、と。
 
電車内中央部は、十分な吊革が備わっていない。そもそもこんなにすし詰めで乗ることが想定されてないだろうからしょうがないんだけど、実際問題として摑まる部分がないのは困る。おれの他にも吊革難民が結構いて、加減速の度にそいつらがワーッと雪崩のように襲い掛かってくる。
 
ブレーキでワーッ!
 
加速でワーッ!
 
いや、アホ丸出しですやん。大人たちが一斉にワーとか言って転びそうになってるこの状況。完全にアホ丸出しですやんか。
 
おれは倒れこまないように、濡れた足先に力をいれて踏ん張る。隣のババアはバンザイのポーズで、どこか摑まるところはないかと手をあちこちに伸ばして格闘している。だがそんな場所はない。そのうち諦めたのか、100%、ありったけ、全力で、おれに全体重を預けてくるようになった。
 
なにもかもが嫌になってくる。
 
疲れ果てて会社に辿り着いて、パソコンを広げて仕事をやる。メールを打ったり書類を作ったり調べ物をしたり、言ってしまえば自宅でできるようなものばかり。
 
おい、サラリーマンの仕事とは「耐えること」なんけ?
 
昨日社員を出勤させた日本全国の社長やらCEOやら、よくわかんねーけどそういう判断ができる立場のヤツを一列に並べて、社員の仕事は出勤かいと、出勤そのものかいと、問いただして回りたい。その全員のメガネのレンズに、油性マジックでウンコの絵を描いて回りたい。今日のこのブログの一字一句全てにメロディつけて、大音量で聞かせてやりたい。
 
いい加減にしろ。
 
さようなら。