投資のこと
ここ最近飲み会が続いていて、投資の話になることが多い。そういう場では自分の経験則を断片的に話すだけになってしまいがちなので、ここらで自分の考えをまとめておきたい。
前提としては
・投資未経験
・長いスパンでお金を増やしたい(→一獲千金で即リタイヤ狙い、みたいな人向けではない)
・定職についていて安定収入がある
という人に向けたまとめである。
資産運用の大まかな流れは下記の通り。
① 「凌ぎ用」の現金を準備
⑤ いかなる時も買い続け、売らない
解説
① 会社が潰れたりリストラされた時のためのお金。投資には回さない。いわゆる生活防衛資金(「地球防衛軍」みたいで子供じみてる気がするのでおれはあまり使いたくないことば)。3ヶ月~1年分の生活費。独身なら薄めでいいだろうし、所帯持ちなら厚めに各人お好みで。
② 何事も初めの一歩が面倒ですよね。でも多少の面倒に耐えてつみたてNISA講座を作って運用開始した時点で、金融リテラシー上位に属せると思っていい。令和元年6月時点でNISA口座数は約1308万に過ぎないのだから。
説明は省くがつみたてNISAは税制面でかなり優遇されているので使わない手はない。つみたてNISAをすっとばして個別株に手を出すようなことはまったく合理的ではないのでオススメできない。
また、「証券口座を作る時に特別口座の源泉徴収アリorナシで迷う」みたいな話を聞くことがある。これまた説明は省くが源泉アリでの開設をオススメする。ただ、源泉ナシにしてしまっても即致命的な何かが発生するわけでは全然ない。「まずはつみたてNISAから」という場合、正直どっちでもよい。後から変更できるし。
この源泉アリナシ問題に限らず、「迷ってるうちに開設手続きが面倒になってやめてしまう」ってのが一番の悪手。
③ 歴史から学べば米国に投資しない理由はない。アメリカのみなのか、アメリカ含めた先進国なのか、さらに新興国まで含めて世界まるごとなのかはお好みで。おれはつみたてNISAでは「楽天・全世界株式インデックスファンド」を買っているよ。他に
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
楽天・全米株式インデックス・ファンド
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド
等も候補になるだろうが、正直どれでもいい。要は「株式」「アメリカを中心に広く分散されている」「信託報酬(手数料)が安い」ものを選べば間違いない。
またまた説明は省くが、債券については考えなくてよい(とくに我々30代の場合は)。株式と債券の関係、インデックスファンドの優位性等について興味があれば『敗者のゲーム』『ウォール街のランダムウォーカー』『株式投資の未来』あたりの書物を紐解いて欲しいが、興味がなければ別に読まなくてもいい。本を読んでても読んでなくても、買ってる物が同じならパフォーマンスは変わらないのだから。
④ 「凌ぎ資金」を作って、毎月つみたてNISAでアメリカを含むインデックスファンドを買いだした時点で既に”パターン入った”状態であり、勝ちが確定しつつあると言っていい。さらに資金的な余裕がある場合はETFを買うか、アメリカないしアメリカを中心としたインデックスファンドを買い増すことで更に上位的存在になれる。
・VTI
・IVV
・VYM
・HDV
・SPYD
・VDC
・VHT
「ETFとか意味わからん」という人は、つみたてNISAの枠外でもつみたてNISAと同じ商品を買っておけば問題ない。
⑤ 買い続け、持ち続ける。「高い時に売って安い時に買い直す」的なことは常人には不可能なので、完全に思考停止してホールドし続けるのがよい。つみたてNISAはこの辺りが便利で、一度設定してしまえば他にやることはなく、定期的に買い付けられ資産が積み重なっていく(ETFにも定期買い付けシステムがある)。あとは売らなければよい。とにかく何もしない。
この「バイ&ホールド戦略」の優位性についても『敗者のゲーム』『ウォール街のランダムウォーカー』 『株式投資の未来』に詳しく記載がある。興味がなければ読む必要はないんだけど、読んでると実際に評価額が下がった時の安心材料になるのでオススメである。評価額が下がるのは日常茶飯事だし、大幅なマイナス評価でテンションが下がる時期も(場合によってはかなり長期に渡って)あるだろうけど、そのうち慣れる。いい意味で鈍感になっていれば、いつの間にか資産は増えている。
「今は株高だから」みたいなこと言っていつまで経っても投資を始めないヤツに未来はない。
その他TIPS
・個別株を買う理由はない
おれが上記でオススメしているのは全て「数十~数千の個別株がセットになった商品」であって、要は幕の内弁当みたいなものである。この手の商品は広く分散されているので、その中の1企業がポシャっても全体に与える影響が極めて小さい。
個別株を自分なりに買い付けて最強ポートフォリオを構築するのは確かに楽しいが、1つの企業に対する荷重が高くなりすぎる。要は分散が効きにくくなる。分散させようとすれば多くの銘柄を調査しなければならないし、維持管理の手間も大きい。上記のような優れた金融商品が数多く存在している現在、個別株を買う合理的理由は何一つない。
おれも投資開始直後はMO、NGG、WBK等の個別株を買っていた。調べてもらうとわかるが現状どれもクソ株化しており評価額はマイナスとなっている。
それでも思い入れのある企業の株が欲しいという場合、ポートフォリオの数パーセントまでをそれに割くのは悪いことではない。手間のかかる熱帯魚を飼うようなもので、それ自体が趣味なら止める理由はない。
・配当金(分配金)について
つみたてNISAで投資信託を購入する場合、配当金が入ってくることはない(実際には配当は発生しているが自動的にファンド内で再投資され評価額に加算されている)。しかしETFを買い始めると、定期的に配当金が入ってくるようになる。
配当金について、「配当はその発生時に都度課税される。税制面で不利となり合理的ではない」という意見もあるが、安月給でサラリーマンやってっと、これが有難かったりする。評価額の上昇は単なる数字の変化にしか思えず、リッチになった(あるいはプアになった)実感などまるでないんだけど、配当金は別である。要は現実的なお小遣いとなるわけで、これを目当てに高配当ETFを買うのも悪い戦略ではない。
ただ、順序としては「つみたてNISA→余裕があったらETF」というのがどう考えても合理的であることは強調しておきたい。
・iDeCoについて
税制面のでの優遇からつみたてNISAとセットで語られることの多いイデコだけど、おれとしては懐疑的である。まずお金の硬直性がヤバいってのがひとつ。60歳まで一切引き出せないのはヤバい。その60歳っていう基準も、国のお気持ちひとつで65になったり70になったりってのも全然ありそうである。なんだそれ。
とはいえ、所得控除の恩恵にも預かりたいということで、おれは月に1万円だけやっているよ。
・保険について
投資と保険は完全に分けて考えるべきで、重複する部分はなるべくなくすのが堅実なやり方だと思う。掛け捨ての安い保険(月額2000円)と火災保険のみ。この辺りは詳しくないので偉い人の受け売りである。
以上。