ラージ記

   30代会社員。登山、バイク(W650)、クルマ(NA8C)、音楽、米国株投資のこと。

最近の山(+学んだこと)

5/21~22 蓼科山

「無雪期の晴れた山にばかり登って山を知った気になるのはどうなんだ?」という思いが自分の中にある。むやみに危険を冒すことは避けるべきだけど、自分なりに安全マージンが確保できると思うなら、雨だろうが何だろうが登ってみるのは良い勉強になるはず。そう考えて雨予報の中出かけたのだった。

 

予報通り終始雨、山頂では雪に降られ、展望は皆無の山行だった。しかし展望がなくとも北八ツの深い森は綺麗だったし、学びの多い山になったので登った価値はあった。

<学んだこと>

① 負傷者との遭遇

人様のことなので詳しくは書かないけど、「せっかく遠くから来たんだから」という思考は安全確保の障害になるなと実感した。

また、「5月の蓼科山にアイゼン、ピッケルを持ち込む」というのは大仰な気がしなくもないが、不安があるなら然るべき装備を持ち込んで、きちんと使って登ることが安全に繋がると感じた。蓼科山の北斜面にはしっかり雪が残っており、昨年同時期に比べて残雪量は多かった(というか去年が極端に少なかった)。仮に周りがストック・ツボ足で登る人ばかりだったとしても、あるいはSNSで「アイゼン不要^^」と書かれていたとしても、自分で判断を下して安易に流されるようなことがないようにしたい。

 

②雨対策

「雨対策が出来ている」とは「雨具を持っている」というだけの話ではなくて、その着脱のタイミングや荷造りの方法、滑りやすい道の歩き方を身に付けているかという包括的な問題。また、防水性のある生地だろうが止水ファスナーだろうが、それらは枝葉末節の話で、それを踏まえた上で二重三重の濡れ対策をしないと山の上で不快な(時には危険な)思いをすることになる。

…というのをわかっていたつもりだけど、今回も対策が甘くて、山の上で少々不快な思いをしたのだった。念には念を。

 

③雨のテント生活(シングル or ダブルウォール問題)

自分はシングルウォールのテントとダブルウォールのテントを持っていて、積雪期や軽さ優先の山では前者を、テント滞在が長くなる山では後者を持ち込むのが自分なりの使い分けだった。ダブルウォールは居住性に優れ、風通しが良く結露にも強い。そういうわけで今回はダブルウォールのテントを持ち込んだ。

だが、今回のように無風で雨が降り続き、気温も湿度も高めというコンディションだと、ダブルウォールのテントも容赦なく結露する。また、フライシートとテント本体が接触しないようにテンションを掛けて設営しても、水分を含んでフライが垂れ下がり本体と一体化、漏水してくる。よくよく気を付けて設営しても、換気に気を付けても、結露するときはするんだよな。こうなるとマメに張り具合を確認して、濡れた部分を拭くしかない。

…アラ?これなら最初からシングルウォールの方が楽じゃない?

荷物は小さくなるし、前室は無いなら無いで工夫すればいい。山岳テントの小さな前室で煮炊きするのは難しい話で、天気が悪いとテント内でバーナーを使うことになる。シングルウォールと変わらない。前室に靴を置けるのは確かにメリットだけど、今回みたいに雨が酷いと靴の濡れが気になって結局室内に入れちゃうし、そもそも積雪期はテント内に靴入れないと凍っちゃうわけで、それなら年中シングルで良いのかもな、と感じた。

今までもどちらかと言えばシングルウォール党ではあったんだけど、その思いがより強まったのだった。

 

シュラフカバーの重要性

③の話に関連して、防水透湿素材・3レイヤー・ファスナー付きのシュラフカバーは必携装備だなと再確認した。自分は2レイヤーのシュラフカバーしか持っていないので、内部結露がシュラフ表面に張り付いてちょっとイヤな思いをした。また、ファスナーなしのモデルなので出入りが非常に面倒くさい(GWの北アルプスでも同様の感想を持ったのだけど、ケチって新しいのを買っていなかった)。ということで、帰宅後ようやく新しいシュラフカバーを注文したのでした。

<まとめ>

正直なところ、1泊2日の山行であれば、これらはあまり問題にならないことかもしれない。1日くらい不便な思いをしたり寝られなくたって、別にどうという事はないのだから。ただ、これが2泊3泊となると、積み重なって計画の成否を左右する問題となってくると思う。自分は雲ノ平周遊、南アルプス縦走を考えていて、どちらも3泊は必要なので、今のうちから色々と研究しておきたい。