ラージ記

   30代会社員。登山、バイク(W650)、クルマ(NA8C)、音楽、米国株投資のこと。

2019年買ってよかったもの

ベース(Fodera imperial custom 5st ¥1,580,000)

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「次に買うならフォデラ」と思ってました。作りの緻密さ、弾きやすさ、音の良さは半端じゃなくて、この値段はバーゲン価格だと思う。毎日弾いてます。

 

クルマ(Porsche 911 GT3 RS ¥26,920,000)

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今乗っているランボルギーニ アヴェンタドールは、どうにも乗りづらいクルマです。乗り心地は悪いしやかましいし、何しろ変に目立ってしまう。もっと気軽に乗れるような、コンビニに行くにも便利なクルマが欲しくてGT3 RSを買い増ししました。良くも悪くも普通のクルマって感じで、そこが気に入ってます!

 

金の延べ棒(500g ¥2,500,000)

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自宅のドア、開いておくと勝手に閉まっちゃう機構が搭載されていて、換気したい時とかに何かと不便。そこでストッパーとして買ってみたら便利でした。

 

バスキアの絵(¥12,300,000,000)

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バスキア展に行ったとき、絵が語り掛けてきたんですよね。「どうだ?最近描いてるか?」と。おれがニューヨークで暮らした3年間のこと、売れない絵ばかり描いてたあの頃のことを、バスキアが思い出させてくれた。今おれは絵を辞めて、実業界で暮らしてしまっているけど、あの頃があったから今の自分がある。そう思ったら、買わずにはいられなかったです。圧倒的な存在感で一瞬でリビングルームの空気が変わりましたが、それは威圧感のようなものとは違い、温かさや癒しを伴うとても心地の良い変化でした。

 

良いお年を。

投資のこと

ここ最近飲み会が続いていて、投資の話になることが多い。そういう場では自分の経験則を断片的に話すだけになってしまいがちなので、ここらで自分の考えをまとめておきたい。
 
前提としては
・投資未経験
・長いスパンでお金を増やしたい(→一獲千金で即リタイヤ狙い、みたいな人向けではない)
・定職についていて安定収入がある
という人に向けたまとめである。
 
 
 
資産運用の大まかな流れは下記の通り。
 
① 「凌ぎ用」の現金を準備
SBI証券 or 楽天証券に口座を開設。つみたてNISA口座も開設
アメリカかアメリカ中心のインデックスファンドを選んで運用開始
④ さらなる余剰資金がある場合はETF投資信託を購入
⑤ いかなる時も買い続け、売らない
 

解説

① 会社が潰れたりリストラされた時のためのお金。投資には回さない。いわゆる生活防衛資金(「地球防衛軍」みたいで子供じみてる気がするのでおれはあまり使いたくないことば)。3ヶ月~1年分の生活費。独身なら薄めでいいだろうし、所帯持ちなら厚めに各人お好みで。
 
② 何事も初めの一歩が面倒ですよね。でも多少の面倒に耐えてつみたてNISA講座を作って運用開始した時点で、金融リテラシー上位に属せると思っていい。令和元年6月時点でNISA口座数は約1308万に過ぎないのだから。
 
説明は省くがつみたてNISAは税制面でかなり優遇されているので使わない手はない。つみたてNISAをすっとばして個別株に手を出すようなことはまったく合理的ではないのでオススメできない。
 
話は前後するが、SBI証券楽天証券をオススメしているのはシェアが大きいネット証券であり手数料が安いからである。現状これ以外の証券会社を選ぶ理由がない。
 
また、「証券口座を作る時に特別口座の源泉徴収アリorナシで迷う」みたいな話を聞くことがある。これまた説明は省くが源泉アリでの開設をオススメする。ただ、源泉ナシにしてしまっても即致命的な何かが発生するわけでは全然ない。「まずはつみたてNISAから」という場合、正直どっちでもよい。後から変更できるし。
 
この源泉アリナシ問題に限らず、「迷ってるうちに開設手続きが面倒になってやめてしまう」ってのが一番の悪手。
 
③ 歴史から学べば米国に投資しない理由はない。アメリカのみなのか、アメリカ含めた先進国なのか、さらに新興国まで含めて世界まるごとなのかはお好みで。おれはつみたてNISAでは「楽天・全世界株式インデックスファンド」を買っているよ。他に
 
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
楽天・全米株式インデックス・ファンド
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド
 
等も候補になるだろうが、正直どれでもいい。要は「株式」「アメリカを中心に広く分散されている」「信託報酬(手数料)が安い」ものを選べば間違いない。
 
またまた説明は省くが、債券については考えなくてよい(とくに我々30代の場合は)。株式と債券の関係、インデックスファンドの優位性等について興味があれば『敗者のゲーム』『ウォール街のランダムウォーカー』『株式投資の未来』あたりの書物を紐解いて欲しいが、興味がなければ別に読まなくてもいい。本を読んでても読んでなくても、買ってる物が同じならパフォーマンスは変わらないのだから。
 
④ 「凌ぎ資金」を作って、毎月つみたてNISAでアメリカを含むインデックスファンドを買いだした時点で既に”パターン入った”状態であり、勝ちが確定しつつあると言っていい。さらに資金的な余裕がある場合はETFを買うか、アメリカないしアメリカを中心としたインデックスファンドを買い増すことで更に上位的存在になれる。
 
おれのオススメはドルでETFを買い付けることである。「ETFとは?」みたいな話は長くなるので省くが、興味があれば下記のETFについて各々ググってもらって、気に入った物を購入するとよい。
 
・VTI
・IVV
・VYM
HDV
・SPYD
VDC
・VHT
 
ETFとか意味わからん」という人は、つみたてNISAの枠外でもつみたてNISAと同じ商品を買っておけば問題ない。
 
⑤ 買い続け、持ち続ける。「高い時に売って安い時に買い直す」的なことは常人には不可能なので、完全に思考停止してホールドし続けるのがよい。つみたてNISAはこの辺りが便利で、一度設定してしまえば他にやることはなく、定期的に買い付けられ資産が積み重なっていく(ETFにも定期買い付けシステムがある)。あとは売らなければよい。とにかく何もしない。
 
この「バイ&ホールド戦略」の優位性についても『敗者のゲーム』『ウォール街のランダムウォーカー』 『株式投資の未来』に詳しく記載がある。興味がなければ読む必要はないんだけど、読んでると実際に評価額が下がった時の安心材料になるのでオススメである。評価額が下がるのは日常茶飯事だし、大幅なマイナス評価でテンションが下がる時期も(場合によってはかなり長期に渡って)あるだろうけど、そのうち慣れる。いい意味で鈍感になっていれば、いつの間にか資産は増えている。
 
「今は株高だから」みたいなこと言っていつまで経っても投資を始めないヤツに未来はない。
 
 
 

その他TIPS

・個別株を買う理由はない
おれが上記でオススメしているのは全て「数十~数千の個別株がセットになった商品」であって、要は幕の内弁当みたいなものである。この手の商品は広く分散されているので、その中の1企業がポシャっても全体に与える影響が極めて小さい。
 
個別株を自分なりに買い付けて最強ポートフォリオを構築するのは確かに楽しいが、1つの企業に対する荷重が高くなりすぎる。要は分散が効きにくくなる。分散させようとすれば多くの銘柄を調査しなければならないし、維持管理の手間も大きい。上記のような優れた金融商品が数多く存在している現在、個別株を買う合理的理由は何一つない。
 
おれも投資開始直後はMO、NGG、WBK等の個別株を買っていた。調べてもらうとわかるが現状どれもクソ株化しており評価額はマイナスとなっている。
 
それでも思い入れのある企業の株が欲しいという場合、ポートフォリオの数パーセントまでをそれに割くのは悪いことではない。手間のかかる熱帯魚を飼うようなもので、それ自体が趣味なら止める理由はない。
 
・配当金(分配金)について
つみたてNISAで投資信託を購入する場合、配当金が入ってくることはない(実際には配当は発生しているが自動的にファンド内で再投資され評価額に加算されている)。しかしETFを買い始めると、定期的に配当金が入ってくるようになる。
 
配当金について、「配当はその発生時に都度課税される。税制面で不利となり合理的ではない」という意見もあるが、安月給でサラリーマンやってっと、これが有難かったりする。評価額の上昇は単なる数字の変化にしか思えず、リッチになった(あるいはプアになった)実感などまるでないんだけど、配当金は別である。要は現実的なお小遣いとなるわけで、これを目当てに高配当ETFを買うのも悪い戦略ではない。
 
ただ、順序としては「つみたてNISA→余裕があったらETF」というのがどう考えても合理的であることは強調しておきたい。
 
iDeCoについて
税制面のでの優遇からつみたてNISAとセットで語られることの多いイデコだけど、おれとしては懐疑的である。まずお金の硬直性がヤバいってのがひとつ。60歳まで一切引き出せないのはヤバい。その60歳っていう基準も、国のお気持ちひとつで65になったり70になったりってのも全然ありそうである。なんだそれ。
 
とはいえ、所得控除の恩恵にも預かりたいということで、おれは月に1万円だけやっているよ。
 
・保険について
投資と保険は完全に分けて考えるべきで、重複する部分はなるべくなくすのが堅実なやり方だと思う。掛け捨ての安い保険(月額2000円)と火災保険のみ。この辺りは詳しくないので偉い人の受け売りである。
 
以上。

肛門に違和感をおぼえたら、すぐに医者にみせろ。

一年前の今日、おれは痔瘻の手術を受けました。
 
このブログを読んでる人、もしお尻に違和感を感じたら即座に肛門科の門を叩いてください。時間がないとか恥ずかしいとか言ってる場合じゃないです。
 
即、受診せよ。
 
初期段階で食い止めることができれば、大掛かりな手術も、それに伴う入院も必要なくなる場合が多いようです。苦しむ人が減って欲しいから言っているんです。
 
手術は辛いです。
 
手術の二日前から入院して、前日の夕食は重湯とみそ汁(具なし)のみ。「切腹前の武士ってこういう物を食べたのかなぁ?」などと考えてしまいます。幅80㎝ほどの驚異的に狭いベッドで、同室のオジサンのイビキに苦しみながら、ほとんど眠れないまま朝を迎えます。
 
手術当日、病室でベッドに寝た状態のまま、ベッドごと手術室に運ばれます。ガラガラと運ばれながら廊下の天井を流れていく蛍光灯なんかを眺めていると、「あぁ、いよいよ死ぬんだな」と思えてきます。
 
恐ろしかったのは麻酔を打つ瞬間です。看護婦さん3人がかりでおれの体をガッチリ体を固定し、腰骨の骨と骨の隙間に注射をブチ込みます。ここで反射的にのけぞったりするとやり直し。もう一度、恐怖と鋭い痛みに耐えねばならない。
 
手術中は看護婦さんが頻繁に話しかけてきます。趣味は?学生時代の部活動は?など。おれは格好をつけるために「パワーリフティングをやってました」と嘘をつきました。アナルを切り開かれてるヤツがカッコつけてもしょうがないんだけど、なんというか、「おれは屈強な男なんだ、こんな手術怖くないんだ」ということをどこかでアピールしたかったのかもしれません。あるいは自分に言い聞かせたかったのか。とにかく咄嗟に出た嘘でした。看護師さんは「逞しい身体だと思ったのよ」「立派な太ももよ」などと言ってくれました。彼女たちもまた嘘をついてくれたんだと思います。彼女たちはおれのバックグラウンドに興味があるわけではありません。会話を継続させることで、患者の意識が落ちてないか確認するために訊いているわけです。
 
手術室内にはユーミンの『春よ、来い』がリピート再生されていました。ユーミンと「ピコン、ピコン」という電子音(おれの血圧?脈拍?が正常かを計測してる機械の音)が絶妙にコラボして、不気味な音像でした。
 
手術が終わると、T字帯とかいう紙でできた”ふんどし”みたいなものを履かされベッドに戻されて、ベッドごとガラガラと病室に戻されます。
 
おれの隣のベッドには30代後半くらいのお兄さんが入院してたんですが、おれがベッドごと帰還した時にちょうど彼の奥さんが見舞いに来てました。彼はおれの一日遅れで入院、つまり明日手術というわけです。彼の奥さんは手術を終えたおれの姿に旦那さんを重ねたのでしょう、おれを見るなり泣き始めました。
 
おれは手術を終えて病室に戻った時、「これで7割がた終わった」と思いました。手術という大きなヤマを越えて、あとは大したことない、治るのを待つだけだと。
 
手術を終え数時間経ち、麻酔が切れてくると、その考えはまるで間違っていたことがわかりました。本当の地獄はここからだった。書くのがめんどくなってきたのでもうやめますが辛かったです。辛くて情けない気持ちになった。
 
早期の受診をすれば、手術もその後の地獄も味わわなくてよいかもしれない。
 
受診せよ。
 
そしてハッピーハロウィンです。

発売予定のバイクに思いを馳せる

ここ最近は天気に振られて週末外に遊びに行くことができない。今週末も家で過ごすことになりそうだ。そんなタイミングでモーターショーの開幕、各メーカーからニューモデルの発表。自然と発売予定のバイクに思いを馳せる時間が長くなる。
 

テネレ700

めちゃめちゃ良い。ビッグオフあるいはアドベンチャーツアラーと呼ばれるカテゴリーのモデルではあるんだけど、この括りにありがちな「これでオフロードは無理やろ」というタイプのモデルではない。二気筒689ccで高速道路含めてそこそこ走れるだろうし、長い脚とフロント21インチのホイール、そして何より204㎏という軽さのおかげで未舗装路にも気軽に入ることができそうだ。

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バイクに乗り始めて15年、今まではバイクそのものが好きで、目的もなく乗って磨いていればそれで満足だった。それが、登山をやるようになってから「バイクを使って遊ぶ」という方面にシフトし始めている俺がいる。登山のアプローチのための道具であると同時に、その道中を楽しむための存在。
 
個人的にビッグオフっていうのは今まで興味の対象外で、というのも、いかにもオフ車っぽい見た目をしていても履いているタイヤは舗装路用の物だったり(中には17インチラジアルのモデルすらある)、車重がとんでもなく重くてコケたら再起不能やろって感じだったり、そもそも新車価格が250万円もしてさらに補修部品もゴリ高の高級バイクでは、不整地に入ろうなんていう気は起らない。この手のバイクに乗ってる人は「オフっぽい雰囲気を纏って高速道を走るのが好きな小金持ちのおじさん」と相場が決まっている。
 
KTMの690エンデューロなんかは軽くて良いなと思うけども、長距離移動で単気筒はキツい。街乗りではエンジンのレスポンスが良すぎて疲れちゃう。「READY TO RACE」って言われてもレースやんないし、だいたいおれは日本男児として日本メーカーに拘りたいんだよな。
 
というわけで、ワガママなおれにぴったりフィットしそうなのがテネレ700である。汎用性が高く、道具として使い倒せるバイクという気がする。
 

W800

W650(後継の旧W800)からの変更点はいくつもあって、フレームが新しくなって剛性UP、ABS化、リアブレーキのディスク化、ヘッドライトのLED化等々、その他見えないところもかなり変わっているようだ。新W800は既に発売されているけど、フロントが18インチだったり、フェンダーがめっきではなくなっていたりと、微妙におれの好みからは外れていた。それが今回、トラッドなオートバイ然としたW800が発売されると聞いて、嬉しくなった。

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Wシリーズの良いところは汎用性の高さで、街乗りでも楽しいし高速道路もそこそこ快適、重心が低くてコンパクトなので、細い道やら不整地でも「ちょっと入ってみようかな」という気になる。荷物もたくさん乗るし、故障が少ない。フロント19インチによる鷹揚なハンドリングも急かされなくて良い。Wには昔ながらの「フロント19インチ、リア18インチ」という構成が合っていると思う(タイヤ代が安く済むってのも良いところ)。
 
Wシリーズの乗り味に刺激は一切ないし、先進性の欠片もない古臭い見た目ではあるけど、それらがしっくりくる人には長きに渡って良き友となってくれるバイクだと思う。そういうバイクが新車で販売されてるってのは嬉しい。
 
テネレは気になるけど、おれはW650が気に入っているので、乗り換えるのは難しい。
 
新W800のLEDヘッドライトをW650に移植できないかなと思案中。
 

CT125

これはマジで買おうと思っている。

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おれがバイク童貞を捧げたCT110の現代版、もうこれだけで購入に足る存在だ。CT110は現在実家に置いてあって、帰省時の遊び用(主に登山アプローチ用)、そしてオヤジの農作業用として活躍しているが、いかんせん設計が古いため実用上の不満がないでもない。
 
まずは灯火類。CT110の電装系は6V、これは戦国~江戸前期に設計されたバイクにありがちな仕様なんだけど、残念ながら現代では通用しない。まず暗い。想像を絶する暗さである。さらに、電球が一ヵ所切れるとその他の電球達に負荷がかかって、今まで元気だった電球達も次々死んでいくという地獄仕様になっている。しかも6V球は一般的な部品屋さんでは売ってないことが多い。そこで12V仕様に改造したわけだけど、それでもバーニングストーンにウォーターで、ライトの暗さは不安になる。
 
次はサスペンション。CT110のサスペンションは、サスペンションとは名ばかりの単なる金属棒である。そこでCT110フリーク達は知恵を絞って、新聞配達用カブのサスペンションにリプレイスすることで、いくらかマシな乗り心地を手に入れるのだ。でも考えてみると、不整地走破を念頭に開発されたバイクに新聞配達バイクのサスペンションをつけて喜んでいる、この事実だけでなんだか悲しくならないか?
 
最後はエンジン。CT110のエンジンはタフで燃費も悪くない。しかしもう少しだけパワーが欲しい。登山口を目指してつづら折りの道を登っていくシチュエーションは多いが、坂道になるとどうも登っていかない。というか、おれの母校であるハーバード大学は八王子の山の上に建ってるんだけど、その駐車場への坂道ですらも大幅な失速を余儀なくされる。あと20ccでも排気量があれば違うだろうに…。

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そこでCT125。上記の悩みが一切解消される。なぜCT110みたいな不満の多いバイクに乗り続けるのか?それは見た目がカッコいいからって理由がかなり大きい。デザインが良くて、しかもそのデザインの良さは泥だらけになっても傷がついても目減りしない、むしろ勲章としてさらに輝きを増すタイプのカッコよさ。CT125は、そんなCT110の見た目をできるだけ残すよう配慮されているように見える。これだけで買うに値するんじゃないかしら。
 
もちろん「125にもフロントキャリア付けんかい」みたいなワガママを言えばキリがないんだけど、開発陣の心意気には購入という形で応えねばならんのじゃないかと思っている。
 
実はホンダってあまり好きなメーカーではなかったんだよな。理由は過去にも書いてて古いバイクの部品供給がクソだったりデザインがどれもパンツっぽくてダサかったりみたいなことなんだけど、近年イイ感じに解消してきてる。
 
ブランド価値の向上って豪奢なショールームを作ることだけじゃないよね。ユーザーサポートや商品コンセプトがユーザー視点であるってのも大事ですよね。
 
本当にありがとうございます。

山行記録

8/31~9/1 八ヶ岳(赤岳、行者小屋でテント泊)

はじめての八ヶ岳。登山道は苔生した樹林帯からゴツゴツした岩稜帯までバリエーションに富んでいてオモロい。八ヶ岳は長野・山梨に跨る山々の総称で、ピークは八つどころじゃない(「八百万の神」みたいなアレで「多い」って意味の八らしい)。北アルプスは凍狂(東京)からのアクセスに苦労するけど、八ヶ岳ならわりに行きやすい。沢山のピークがありルートも豊富。八ヶ岳がホームと言えるくらい通って、いろいろと勉強させてもらうのが良さそうだ。今度はいわゆる北八ヶ岳の方面に行ってみよう。
 
<気付いたこと>
・一ヶ月以上前のことなので忘れてしまったことが多い。記録を残すのは大事。
・GoProを持って行ったが操作に気を取られて注意力が散漫になった。荷物が重くなるし、今後はナシでいい。
・これまでマットはサーマレストのZライトソルを使ってきた。ザックに外付けすると引っかかるのと、寝起きに腰が痛くなるのがずっとストレスで、今回それを改めて感じたため、下山後に空気で膨らませるタイプのマットを購入した(Sea to summit ウルトラライトインサレーションマット)。

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9/15 南高尾山稜(日帰り)

高尾山口から草戸山、大垂水峠を経て高尾山に出るルートを予定していたけど、2回目のコースだし暑いしで、途中で飽きて城山湖から下山、橋本駅まで走って帰ってきた。この界隈はしばらく来なくていいかな。
 
<気づいたこと>
・日帰り軽量装備でもトレランシューズだと足がブレて歩きにくい(サイズがイマイチ合ってないってのもある)。ローバーのタホーはめちゃめちゃフィットするし安定感ハンパないので、走りに行く場合を除いて、今後は全ての山でローバーを履くことにした。
 

9/29~30 上高地(徳沢でキャンプ)

山には登ってない。日曜~月曜という日程だったことと、天気予報がパっとしないものだったおかげで、人が少なく快適だった。1日目深夜から好天に恵まれ、眩しいくらいに星が見えた。2日目は穂高連峰、焼岳が美しかった。
 
実家で暮していた頃は「こんな何もない田舎から早く脱出したい」と思ってたけども、こういう環境が近くにあるってのはマジで異常だったと改めて思う。何物にも代えがたいものがすぐ近くにあった。
 
HK(話変わるけど)、山で異常な大イビキかいて寝てるヤツってたまにいんじゃん。耳栓してても全然意味ないくらいの。今回もいたんだけど、ああいう人と遭遇すると、山登ってる場合じゃねーだろって思う。山に登ってないで治療せよ。ガーガーいってて、ある瞬間にピタッと止まって、また怒涛のように鳴り始める。呼吸止まってっから。呼吸止まってる間に脳細胞どんどん死んでってるから。今はレーザーの良いアレとかあるらしいから。
 
で、そのイビキおじさんそのものもムカつくんだけど、音に悩まされてる時って想像力が働いて、家でイビキおじさんの帰りを待っているであろうその家族に対してもムカつき始める。旦那が「今度テントで1泊してこようと思ってる」って言ったら、奥さんは止めろよ。「あなたのイビキは迷惑になるでしょ、やめなさい」って言えよ。キッズも「パパ行かないで」とか言えよと。「気をつけて行ってきてね」じゃねーんだよ。
 
…まぁどんな環境でも気にせず眠れるやつが一番偉いと思うし、おれはまだまだ修行が足りないなと思った。
 
<気付いたこと>
・2時間ほど歩くだけでアップダウンはないので、普段山に持って行かない快適装備や我が家に代々伝わる時代遅れの激重装備たちを担いだら、結構しんどかった。軽量化は常に意識すべしと再認識した。
・水を1.5ℓも担いで歩いたのは完全に無意味だったし、食料も多く持ちすぎた。今回は二人だったったからガスリー・ゴーヴァン(※)も余計に持って行ったけど、結果的にはいつも通り一番小さい110サイズ1つで十分だった。
(※ガスリー・ゴーヴァン…イギリス出身のギタリストと燃料のガス缶のことを掛けたラージっち語)
・エア式のマットは寝心地最高。同行の妻はZライトで腰が痛くなったらしい。そこで帰宅後、妻の分と称してサーマレストのプロライトというマットを購入してみた。家で試したが寝心地は上々。生地が分厚いのでパンクのリスクも低いだろう。これでZライト、エア式、自動膨張式と使い分けられる。
・家族の理解が得られると、まるで財源が∞になったかのような錯覚に陥ってあれこれ道具を買ってしまうので危険。あくまで錯覚、家族からの出資などありはしないというのに…。
シュラフ、クッカーは軽量化の余地あり。財源は∞なので実質タダで手に入るが、さてどれを買おうか。
・徳沢ロッヂは外来入浴ができてありがたい。
・帝国ホテルで買った手ぬぐいは、そこらの山小屋で売ってる物より上質でデザインもカッコいい。さすが値段が倍以上するだけある(普通は大抵800円、ここのは1600円)。友禅染

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10/6 乾徳山(日帰り)

「頂上直下に20mの鎖場がありスリリング」みたいな情報に惹かれて行ってみた。もっとドキドキハラハラするかと思ったけど、ガスリー・ゴーヴァンが酷くて(※)視界が悪かったせいか高度感はないし、クソデカホールドが無数にあるので簡単に登れてしまって、正直拍子抜けだった。一般登山道だし当然か。クライミングジムでちゃんと登ってみたいという気持ちが強くなった。
(※ガスリー・ゴーヴァンが酷い…イギリス出身のギタリストとガスってる、すなわち霧が立ち込めていることを掛けたラージっち語)
 
HK、帰りの登山道で財布を拾った。警察に届けなきゃならねーのが正直面倒に思ったけど、放置して悪いヤツに拾われたらかわいそうだ。悪いなと思いながら確認のため一瞬中を見させてもらったところ、おいおい結構入ってんじゃんってのがわかってしまったからなおさらだ。最近、登山中にテントやら何やら一切合切パクられたみたいな嫌な事件もあったじゃないですか。山に遊びに来てんのに嫌な思いをしちゃうのってアレなので、ここは愛の戦士代表として最寄りの警察署に届けた。持ち主の元に帰ったことを願っている。
 
警察の人から謝礼の権利がどうとか説明されたけど、おれは秒で億稼いでるし色々面倒そうなので全て断った。「礼には及びません」っていう、人生で一回は言ってみたかったセリフを言えたのが良かった。
 
そういうわけで、みなさん、ぼくの欲しい物リスト公開してますので、お米、お菓子、ヘアワックス、軽量なシュラフなど登録してますので、よろしくお願いします。助け合いなんで。
 
<気付いたこと>
・帰り道は迂回新道なる道を下ってみた。地図上では破線になっている(注意が必要なルートということ)。多少足場は悪いがピンクリボンの目印はそこら中にあるし、トラロープで誘導もされているので心配ゴム用。
・下山中、見るからにバテてる女性に「山頂まであとどれくらいかかりますか?」と聞かれた。相手のペースがわからないから「ここまでどれくらいかかりましたか?」と聞いてみたら、あと倍くらいの時間がかかりそうだった。率直にその旨伝えたけど、女性は確実に「すぐそこですよ!」っていう言葉を求めているわけで、彼女の心をへし折らなかったか心配になってしまった。でも嘘をつくのも危ないしなぁ…。

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お盆休み登山

お盆休み、槍ヶ岳に登ってきた。

 

槍ヶ岳と言えば北アルプスの盟主と言うべき存在。遠くから見ても一目で槍とわかる特徴的な山容で、人気が高く、人が多い。

槍ヶ岳を「槍」と略す場合、「ナス」「パフェ」等と同じイントネーションとなる)

 

おれは人の多い山が嫌い。凍狂(東京)では満員電車で通勤してるってのに、山の中でも人の中なんて勘弁してほしい。槍ヶ岳は頂上付近に渋滞ができることでも有名で、そんな山に行くつもりはさらさらなかった。そもそも以前登ったことがある。

 

そういうわけで当初は「北ノ俣→黒部五郎→三俣蓮華→新穂高」という、わりに人の少ない縦走コースを計画していたんだけど、台風が来ていて天気が持つかわからんことと、北ノ俣岳登山口への林道が通行止めになっていることが発覚し、急遽一泊二日で行ける近場の山ということで、「新穂高→槍平→槍ヶ岳」というコースへ変更することとなった。20年前は上高地から登ったから、同じ山でも違う景色が見られるし、まぁ悪くねーかなと。

(実家は北アルプスの麓みたいなところにあるので、登山口である新穂高まで車で1時間足らず。恵まれてるなぁ〜)

 

<8/11>

9:20 新穂高登山口

12:00 槍平小屋

 

<8/12>

4:00 槍平小屋

7:50 山頂

14:00 新穂高登山口

 

槍の穂先

槍ヶ岳の山頂部(いわゆる「穂先」)は、ちょっとしたクライミング要素のある場所である。クライミングと言ってもごくごく入門的なもので、鎖やはしご、補助の人工足場がしっかり設置されている。雨や風さえなければ、なんら登攀技術のないおれでも登れる。

 

ただ、高度感はそれなりにあるし、怖がってしまう人もいるようだ。

 

おれが登っているとき、穂先の中腹にヘルメットを被ってサングラスをして、手にテーピングまでしている、いかにも「ぼくたちクライマーです」と言わんばかりの二人の若者がいた。周りの登山者の様子を伺うばかりで、登っていく気配がない。おれはてっきり「この人たちは槍ヶ岳山荘のスタッフか何かで、難儀している登山者を助けるためにここにいるのだ」と思った。ちょうど渋滞していたこともあって彼らの会話が耳に入ってきたのだけど、実は彼らはスタッフでも何でもなくて、単に怖くて登ることも降りることもできなくなっていた一般人であった。

 

一方で、そう恐るような場所でもないのは事実(おれと同じタイミングで7歳の女の子が登ってた)。近くのおばさんが「三点確保、三点確保」と念仏のように唱えていたけど、たぶん人間ってビビると勝手に三点確保し始めるので、それよりも手足を置く場所が信頼できるかどうか(ポロっと崩れたりしないか、滑らないか)を都度確認すると、怖くなくなるような気がした。

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槍平小屋のテント場とマナー

槍平小屋は、(小屋スタッフにちょっと感じの悪いオッサンがいる以外は)かなり良い印象。テン場は広々していて、冷たい水が豊富にあるし、トイレはまぁまぁ清潔(臭いはキツイけど、これはどこに行っても同じようなもんだし)。

 

自分のテントを張ってくつろいでいると、どこかの大学の山岳部だろう、6人の若者パーティーダンロップ製の巨大なテントを張り始めた。ピーカン照りの下、「おれ、童貞w」「言ってなかったけど実はおれも童貞ww」「ギャハハwww」みたいな話をしていて、実に賑やか。これはうるさくて寝られん夜になるかもなぁなんて思ったけど、でも彼らにとっては10年後、20年後に残る思い出が今まさにこの瞬間なのかもと考えると、多少賑やかな夜になったとしても、それにイラついたり文句を言ったりするのは野暮だよな、みたいなことを考えていた。

 

しかし予想に反して、彼らは夜6時を過ぎるとピタリと静かになった。明朝まで話声はおろか物音ひとつ立てなかった。さすが山岳部、よく鍛えられているなぁと感心してしまった。

 

一方でマナーが悪いのは中高年で、周りが寝ようとしてんのに全く気にするすることもなく、夜遅くまで大声で酒盛りしていた。山に来てまで日本の縮図を見せつけられたようで、おれはちょっとヘコんでしまったんだよな。それでも星が綺麗で、暗闇の中目を凝らすと穂高の稜線が見えて、良い夜になったのが救いだった。

 

活躍した山道具

パタゴニア R1プルオーバー

一年中着ているフリース。すでに値段分着倒していると思う。今回もパジャマとして、防寒着として活躍してくれた(登頂時も着てたと思う)。適度に暖かく、でも風が通るので暑すぎず、岩に擦れても大丈夫。

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SONY ICF-T46

携帯ラジオ。テントを張り終えるともうやることがないので、これで高校野球の中継を聴いていた。スマホの充電を減らしたくないし、本は重いし暗くなると読めないので、携帯ラジオがあると便利。71gの贅沢。もちろん天気情報も手に入る。ケースの昭和感がハンパじゃねぇ。

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・プロモンテ VB-10

設営・撤収がマッハで終わる点が素晴らしいテント。ザクっぽい見た目がお気に入り。ツエルトと比べると結露が少ないし、雨風に対する安心感が段違い。メッシュ部が大きくて通気性がよく、虫が入ってこないのもGood。シングルウォールのテントって巷で言われるほど不便じゃないと思うんだよな。雨の中でも何回か使ったけど、フライを畳む手間がない分むしろ楽じゃあないか?と思います。

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おわり

GW登山

GWは帰省して山に登った。
 
この時期の北アルプスは「残雪期」と呼ばれるが、実際のところ「雪が残っている」というよりはまだまだ完全な冬山モードで、初心者登山家の自分には手も足も出せない。1500mくらいのお手軽な三つの山に登り、ツエルト泊も行った。

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槍~焼岳まで

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「彩雲」というらしい
今回の山行で新たな知見を得ることができたので、TIPSとして記しておきたい。
 
・ザックはシンプルで30~40リットルの物が最高
今回メインで使ったのは、アークテリクスのFL45というモデル。クライミング用のザックではあるが、非クライマーである自分にとっても使いやすい。
 
極めてシンプルな作りで、本体正面に小さなジップポケットがあるだけ。ボトルホルダーやメッシュポケットのような便利装備は一切ない。だがそれがいい
 
おれの場合ポケットが多いと「どこに何を入れたか忘れる」という事態が頻発する。行動食やスマホは小さなショルダーポーチに入れてザックとは別に管理し、すぐ取り出せるようにしておけば問題ない。また、背面やショルダーハーネスに一切メッシュ地がないので泥や雪が詰まらないのもGOOD。
 
加えて、このザックは防水仕様なので雨が降っても荷物の心配をしなくて良いのが最高(ザックカバーをつけるのって死ぬほど面倒ですよね)。丈夫な生地でできているので地面に置いてもいいし、岩や木に擦れても問題ない。おまけにめっちゃ軽い。

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ラフに扱ってOK
裏を返せば荷物を取り出しにくく、通気性の悪いザックということでもある。そこは手持ちのOMM CLASSIC25と上手く棲み分けて使いたい。
 
・道具よりも歩き方
チェーンスパイクを付けてても転びまくる人、つけなくてもサクサク歩ける人(おれ)。
 
雪の上歩けるアピールがしたいわけではないが、極論を言ってしまえば、雪の上を歩き慣れている人にとって多くの場合でチェーンスパイクや軽アイゼンの類は不要だろう。あくまで「あった方がいい」という類のもの。おれも持ってはいたが、「なければヤバイ」という状況ではないので装着しなかった。滑落して死が見えてくるような場所に行くとするならガチ雪山用のアイゼンを装着するべきで、「チェーンスパイクがないとヤバイけど12本爪のアイゼンはいらない」という状況は、ちょっと考えにくい。
 
何が言いたいかというと、「道具があれば安心」ということは全くないんだなぁと、転びまくるお兄さんを眺めながら思ったという話。
 
・マットの重要性
軽さを重視して薄いマットを携行したが、外気温3℃程度では地面からの冷気が伝わってきて辛かった。主に肩のあたり。これはこの製品が悪いという話ではなく、状況に合わない選択をした自分のミスである。
 
 
午前3時、寒さに震えながらマットの重要性に思いを馳せた。マットの断熱性はめちゃ重要。こんなこと何度も目にしてきたはずなのに、経験するまで刺さらない。雪国育ちとか何とか言って玄人ぶっても実際はこの程度だということ。寒い時期はエアマットと重ねるなどして対応したい。
 
ゴアテックス最強
ツエルト泊は結露との戦い。これまでSOLのエスケープビビィをシュラフカバーがわりに使ってきた。温暖な気候ではそれで十分だったのが、今回気温が低いということもあり、シュラフとビビィの間で盛大に結露が発生した。透湿性は高くないようだ。
 
親父からゴアテックス製のシュラフカバーを借りて一晩寝てみると、気温や風の条件は殆ど同じなのに、結露が発生してないではないか。シュラフの表面が若干シットリしてっけど、随分マシである。透湿性という観点で考えればゴアテックス最強。内部での結露以外でも、雨が降ればツエルトは容易く浸水することを考えれば、ケチらずにゴア製の防水処理されたシュラフカバーを買っておけばよかった。ゴアのカバーは400gくらいで結構重いけど、濡れたシュラフを背負うことを考えれば有用な投資と言える。もちろんビビィが劣った製品ということではなくチョイスの問題である。乾燥状態での暖かさのなら「ビビィ>ゴアのカバー」なので、うまく使い分けることが大事だなと痛感した。
 
おわり